25歳男性。頸髄損傷。両手でボールペンを保持する操作。
過去にもありましたね。類似問題が。
午前3ですが、ザンコリーの問題ですね。最上位のレベルを選択せよとのことですので、ギリギリできるラインを選んでいきましょう。
下から見てみましょうか。
C8Bでの書字は?
手指屈曲可能、母指の屈曲も弱いが可能と言うことで、つまみの機能は完全ではありませんが、ADL上ではほとんど支障がないとされています。ボールペンは自助具なしで片手で把持できると考えられます。
C7Aでの書字は?
尺側指完全伸展可能とのことです。レベルが上がると、手指屈筋が効かなくなりますね。では、どうやって把持するかといいますと、手関節背屈が効いておりますので、テノデーシスを利用します。ボールペンは、自助具なしあるいは太柄にしたボールペンを使用し、テノデーシスを利用して片手で把持できると考えられます。
C6B3での書字は?
上記と同じく、長・短橈側手根伸筋が効いておりますので、ボールペンは、自助具なしあるいは太柄にしたボールペンを使用し、テノデーシスを利用して片手で把持できると考えられます。
C6Aでの書字は?
手関節背屈力が弱くなります。つまり、テノデーシスアクションは可能ですが、不十分です。片手で自助具なしにボールペンを把持することは困難と思われます。万能カフの適用があるのではないでしょうか。それか、反対の手部で支えるか、ですかね・・・。ひとまず保留にしましょう。
C5Aでの書字は?
手関節背屈は効きません。肘屈曲が作用します。テノデーシスアクションは不可能です。ボールペンは、装具を装着して使用することが適切と思われます。
国試で過去にも出ましたが、「手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない」という文言がある場合、裏を返して、その他の関節は日常生活で使用している(機能している)と捉えてよいと思われます。つまり、この文章で何を読み取れば良いかというと、
手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない
→手背屈や肘屈曲は機能している
→C6やC7機能残存周辺か?
と言う感じでしょうか。
モゴモゴとしてしまいましたが、最後に別紙
を見ていきましょう。母指と示指でボールペンを挟んで、それを対側の手で支えてるように見えますね。手関節背屈位になっているように見えます・・・。C7C8では、出来そうですね、あえて図のような把持をするかは別ですが。C6Aでも、背屈が弱いですが、図のように反対の手で支えればなんとか把持できると思われます。C5で出来るか?(持つだけなら出来そうな気がしないでもないですけどね・・・、)ということで、判断がつきかねますので、先程の「手指拘縮・・・以下略」を思い出してみましょう。この症例さんは、どうやら手関節の拘縮はない様です、と言うことで、背屈あるいは掌屈は機能していると捉え、C5は除外していただきまして。
C6Aを選んで3点いただきましょうか。