inu-inuOTのブログ

作業療法士国家試験を受ける予定の学生さん、いっしょに学びましょう!

精神、回復状況に応じた作業療法の役割

精神分野は早期攻略!得点源です。他の分野と異なる点は、分野そのものの発展が少なく、大きな内容の変化がみられないことです。(MMTなんかは、過去問をみると授業で習った肢位ではなかったりしますよね)

 

専門問題で出題される、回復状況に応じたリハビリテーション作業療法について、ポイント解説致します。

 

急性期のリハ目標と作業療法の役割で確認しておくポイントは?

 

☆亜急性期OT役割は

・休息

・基本的生活リズムの回復✳︎

疲労度の調整

 

まずは休息。これは外せませんので、抑えていただいて。

 

回復期前期のリハ目標と作業療法の役割で確認しておくポイントは?

 

☆回復期前期のリハ目標は

・現実への移行援助

 

☆回復期前期OT役割は

・身辺処理能力の回復

・基本的生活リズムの回復✳︎

・身体感覚の回復

 

です。お気づきの方いらっしゃるかと思いますが、基本的生活リズムの回復は亜急性期と回復期前期の2期に渡って、OTの役割として挙げられています。混乱しないようにしましょう。

 

回復期後期のリハ目標と作業療法の役割で確認しておくポイントは?

 

☆回復期後期のOT役割は

・対人交流技能の改善・習得

・自信の回復

・達成感の獲得

・生活管理技能の改善・習得

 

です。後期になってから、「対人」という文言が登場します。それまでは、個人に着目した支援でしたが、ここにきて変化がみられましたね。

 

維持期のリハ目標と作業療法の役割で確認しておくポイントは?

 

☆維持期リハ目標は

・生活の質の維持・向上

・社会生活・社会参加の援助

 

☆維持期のOT役割は

・就労援助

・仲間作り

・資源利用

・再発防止

 

です。

 

長期で精神科に実習に行っていた方はイメージ

しやすいのでしょうか?筆者は身障分野の実習の方が長かったので、ひたすらキーワードを頭に入れて対応しました・・・

 

教科書に載っている表では、たくさん書いてありますが、上記をポイントを抑えれば過去問10年分程度は解けるのでは無いでしょうか。

 

 

Zancolliのレベル、脊髄損傷。

ザンコリーとエーシア、えーっと、どっちがどっちだっけ?

 

授業中、あるいは試験中に悩んだことはあるのでは無いでしょうか。どちらも脊髄のレベルについての分類ですが、国試ではどのように問われるのか?まず、「この分類はASIAでしょうか、Zancolliでしょうか答えてください」というような問題は出題されませんのでご安心を。

 

ただし、ZancolliとASIA、どちらも習っていることを逆手にとって、学生を混乱させるような問題が出ます。

 

この記事をお読みの皆様はもう察しがついているかと

思いますが、例のあの部分のことですね。

 

同時にZancolliとASIAの表を比べれば、相違点がみれるのですが、あえて片方だけご説明して、そちらをまず頭に入れることで試験中の混乱を軽減するようにしていこうと思います。

 

それでは、Zancolliについてですが、上肢の筋の機能について取り扱っています。初歩ですが、この点をまず頭に入れて下さい。分類は、C5A〜C8BⅡまであります。

 

☆C6BⅢは、上腕三頭筋・円回内筋・橈骨手根屈筋が効いている。背屈も十分。

 

ここを基点として下さい。ここから上下のレベルを頭に入れるようにしましょう。学校の試験、国試、業者模試含め、出題頻度が高いのでぜひ。

 

ミソは三頭筋が効いているという点です。

 

☆C6BⅢは、プッシュアップ可能、側方移乗可能。

 

50回午前11をご参照頂きたいです。座薬使用のための自助具と、使用時の姿勢について表現されていますが、これは図の動作を分析するだけでは回答は困難になっています。文章の情報を読み解く必要がありますが、ここで役立つのが上記のポイントです。

 

三頭筋!側方移乗!頭に刻めたでしょうか。

 

 

 

意識障害の分類、JCSとGCS

Jなの?Gなの?

 

と医療系学生を悩ませるのがこの意識障害の分類である、JCSとGCSですね。授業を聞いている時、先生の滑舌次第ではどちらを指しているかわからない、なんて経験あるのではないでしょうか。

 

国試対策として、どちらを覚えるべきか?

・・・・・どちらも必要ですので、さっくりポイントを抑えていきましょう。

 

まず、JCSですが、3×3で9つの状態を表しています。

大分類では、Ⅰは刺激をしないで覚醒。Ⅱは刺激をすると覚醒するがやめると眠り込む。Ⅲは刺激をしても覚醒しない。この3つに分けられます。

「刺激」という言葉で分類されていることが特徴です。刺激とは、声かけ・揺すぶりや大声、痛みを加えること、これらを指します。(痛み刺激の加え方について興味のある方は検索してみて下さい・・・)

 

☆3:自分の名前、生年月日が言えない

☆100:痛み刺激に対して払い除けるなどの動作をする

 

まず頭に入れるべきは上記2点です。ここを基点に前後を覚えていくと想起する際の混乱が軽減されるのではないでしょうか?

 

次にGCSですが、開眼(eye)・言語(verbal)・運動(motor)の3分野です。過去にこの3分野についての正誤問題が出題された年がありましたので、さっくり頭に入れておきましょう。主に出題されるのは、スコアと反応についてです。開眼は4点満点、言語は5点満点、運動は6点満点で、合計点は15点です。出題傾向としては、各分野の最高点と最低点以外の中間が出やすいです。 

 

☆Eなら3と2、Vなら4と3と2、Mなら5と4と3と2です。

 

最高点や最低点といった突飛な反応をみて目を通したつもりでいると模試で痛い目を見ますのでご注意を・・・。出題者は学生が曖昧に覚えている部分を突いてきます。

 

この2つの分類は、最初はもしかしたらややこしいと感じることがあるかもしれませんが、出題者が問題にするにあたって、捻ることが出来る部分があまりないので、1度覚えると楽になるかもしれません。

 

ごくたまに、表の欄外に書かれている(教科書などで表の前後に記載されている)文言などが出題されます。例えば、「GCSは7点以下で重度の意識障害を示す」といったようにです。暗記の優先順位としては高くはありませんが、頭に入れておいて損はありません。

 

そして、この2つの分類に関する問題で、学生を悩ませる点がもう1つ。自分が暗記に使用した表と文言が異なっている点です。何をいっているんだ?と他の分類でも、本によって表現が違っているものがあるじゃないか、と。そう思われる方いらっしゃると思いますが、意識レベルの分類では、各反応で使用されている単語が似ていることもあり、表現が変わると混乱を呼びます!(経験談)。例えば、JCSの2:見当識に障害がある→「開眼しており、見当識障害がある。」、GCSのM4痛み刺激から逃避する→「指示に応じた動き見られず、逃避反応ある」

 

といった具合です。いまいち共感できないな・・・とお思いかもしれませんが、点数がギリギリだと、この部分は余計焦りと動揺が出現して判断がつかなくなるので、文字のイメージで覚えるよりも、イラスト等で覚えた方がいいのかもしれません。